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Travel Diary in Shanghai, Day 1 : ニーハオは突然に。

上海どんづまりシリーズ:※写真は時系列に沿ってないです。

8月9日(日)

案の定、宿をとったのは前日だった。というか日付変わっていたので厳密には当日の朝だった。いつものことだ。台湾のときは飛行機も前日予約だったからまだましだろう。とはいえ飛行機は4日前くらいにとっていたものの仕事の都合であやうくキャンセルになるところだった。その可否が判明したのが前日、ということで宿も前日予約となった。まぁしょうがない。

と いうわけでダラダラ始まったけどいつも書こうと思いつつ面倒くさくてやってなかった海外での記録をたまには残していこうと思う。今回は上海。あの上海ハ ニーでおなじみの上海。いま思うとあの曲のどこが上海だったんだろう。なぜ上海を選んだかという理由はとても浅い。近い=安い、そして行ったことなかった から。たしか乗り継ぎとかで一瞬寄ったことはあったけどちゃんと降り立つのは初めて。実は北京の方が興味あったんだけどちょっと距離があって名古屋からだ となかなか直通のちょうどいいのがなく、4日前とはいえ飛行機の予約にしては遅いタイミングで高いのしか残ってなかったので上海で妥協した。まぁ初めての中国本土としては上海の方がライトそうだし。

あと最近行った韓国、香港、マカオ、台湾は比較的日本と景色も近く、人の顔も似た様なものなので写真に撮ってもプロジェクトとしてまとめやすい、というのも理由のひとつ。やっぱモロッコの写真と日本の写真並べると普通にはマッチせんからね。特殊な意図を持たせない限り。

出発は朝9時半の便。国際線だから一応早めに着く様に7時 くらいには家を出た。細かいところは端折るけど空港に着く前に腹ごしらえとして買った煮卵おむすびの煮卵を駅のホームで落とす、という失態をやらかして朝 からブルーになった。なので朝飯は茶色い色のついた煮卵抜き煮卵おむすび。もはや具なしの炊き込み御飯。そう思えばどうということはない。煮卵は最初から 入ってなかったんだ(ちゃんとした社会人なのでしっかりカスまで拾ってゴミ箱に捨てました)。

上海どんづまりシリーズ:誰もいないけど気配を感じる。

夏休みということもあって空港にはそこそこ人も多かったけど各関門は意外とスムーズにくぐり抜けられた。慣れたもんやね。いつものように少し早めに ゲート付近につき、喫煙所で一服してお茶買ってから搭乗。フルで寝るつもりだったけど体勢がきつくて寝て起きて本読んで寝ての繰り返し。途中機内食も出た けど、ここであのパンみたいなの食べるのは犠牲になった煮卵にも申し訳ないし、何よりフライトアテンダントの「めしあるけどくう?」を中国語で言われて 「俺は日本人だから日本語か英語で頼むよ」のうまい返しができずにワナワナしてる間に「はよせいや」みたいな顔されたので何も言わずに手を軽く横にふって クールに断った。結果的にこのせいで夕方まで飯抜きとなる。

フライトは2時間ちょっと(たぶん) で、寝ても寝なくてもさほど影響はない程度だったので「そろそろ着きそうだから電子機器やめてね」の合図以降は外の景色を見て過ごすことに(窓際でし た)。やっぱあのニョキニョキそびえたつマンション群を見ると中国だなぁ、って感じするね。香港とかもそうだけど日本と違って同じデザインのやつがいっぱ い並んでると海外感ある気がする。日本みたいにちょこちょこ建てるんじゃなくて急速な成長に伴ってその土地にドカッとまとめてつくったってことかな。日本 の団地もそうだけど日本の団地は白一色のシンプルなやつってイメージで上海とか香港のはオレンジとかの茶目っ気が入っているイメージ。

上海どんづまりシリーズ:誰もいないけど気配を感じる。

そんなこんなで難なく上海到着。アライバルゲートはやっぱりけっこう並ぶけどカードの記入も事前に終え、特に質問されることもなかったので無事クリ ア。俺も上手くなったもんやね。初海外だったタイのときは「ここ何書けばいいんすかね?」とか近くの日本人に聞いたりしてたけど今では「ハロー」以外の言 葉をほぼ発することなく空港を脱出できる(それはそれで寂しい)。どこの空港でもあるけど上海は特にあれが多かった。あの到着口から出たときに名前書いた プラカード持ってるおっさんたちのお出迎えのやつ。ちょっと探すふりしてマジマジみたりしたけどちょいちょい日本人の名前もあった。その日本人のやつじっ と見つめたりするとおっさんが「お、もしかしてミスターヤマモトか!?」みたいに嬉しそうな顔するけど非情にもスルー。だって俺のお迎えなんて最初からい ないし。あと気のせいかもしれんけど「ムハンマドさん」のお迎えが多かった。韓国にキムが多いようにムハンマドも中東には多いんかね。

今回 は荷物もはやくおろしたかったので宿に直行することに。バスとかタクシーとかいろいろあるけど簡単そうな地下鉄を選択。安いしね。ただあれだね。中国人の 列に並んで券売機で買うのはかなりプレッシャーあるね。何言ってんのか知らんけどみんな1日の8割は喧嘩してんじゃないかってくらいまくし立てるように騒 いでるし、こっちは駅の名前とか読み方とか買い方もよくわからんし。でも大丈夫。前の人の買う動作を凝視して一瞬にして学んだ。路線のボタン(数字なので 見つけやすい)押して、駅名押すだけ。実は間違って乗り換え予定の駅のボタン押しちゃったんだけど気丈に振る舞えばOK(結局あとで無駄に改札出て入って して調整した)。奴らにはただの寡黙な中国人だと思われてるだろう。よし。ニーハオ!

台湾とか香港もそうだったけど上海も地下鉄の座席は クッションがなく硬いプラスチック。長時間はきついけど座れるだけマシだろう。辛いことがあってもインドと比較すれば何でも乗り切れる気がする。あと空港 はたぶん始発の駅だったので上手く座れたけど後の駅で乗ってくる中国人たちはみんな必死で空席を奪い合うんだな。遠くからおばちゃんが走り寄ってくるから 俺が着てたTシャツの「アンチテクノロジー」の文字が上海の技術発展の思想に抵触したとか読んでた文庫本がオウム 真理教関連だったりして村八分にされるのかとか心配したけどただ俺の横の席に滑り込みたかっただけだった。そして嬉しそうな顔をしやがる。かわいいやつ め。そういえば車内でハーモニカ吹きながら過ぎ去っていく老夫婦もいた。よく路上にいるやつが中国では電車内にいるんやね。ニューヨークだったらもっと受 け入れられるんかもしれんけど中国だしメロディが切なかったのでちょっと目を背けてしまった。

上海どんづまりシリーズ:ウェディングドレスの販売店のようなところの隅っこにて。

なんだかんだで無駄な乗り換えもあり1時間以上かかって宿の近くの駅に到着。ここで初めて中国の外気に触れ る。モワっとした感じはあったけど日本と大差ない気がした。空気が汚いイメージあったけどひどいのは北京の方なんやろうね。上海は香港や台湾、そして日本 ともあんま変わらんかった。街を歩けばアジア独特の変な臭いはあるけどね。今日も何度か釣り具屋さんのエサ売り場みたいな臭いがしてた。天気予報は雨だっ たけど着いてみるとたまにポツポツ降る程度で傘をさすこともなく、どうにかしのいだ。気温は…日本の方がちょっと暑いくらいか。決して快適ではない。

そして10分 くらい歩いてようやく宿に到着。途中何度か横断歩道をわたる機会があったんだけど中国は赤でも青でも堂々とわたるのがスタンダード。本にも書いてあったけ ど変に小走りで駆け抜けようとする方が危険らしい。車も信号無視して突っ込んでくることがよくあるので近くに中国人いるときはさりげなく斜め後ろくらいに ひっついて「何かあればリーさんも一緒だからね」方式で渡るのが吉。

さて、宿には一応チェックイン可能時間ちょうどくらいに ついたんだけど聞いてみるとまだクリーニング中とのこと。しょうがないので宿の玄関あたりのベンチで待つことに。ちょうどそのくらいから続々と中国人たち もカウンターを訪れてた。他の日本人や欧米人は皆無。ユースホステルと名のつくところだったんだけどどうやら地方から上海に遊びに来たり買い物に来たりす る若者が利用するようなところらしい。高くはないけどすごく安いわけでもない(安いところも色々あったけど遠いところばかりだったので中くらいで妥協し た)。おそらく泊まっている中国人たちもそこそこ育ちのいいおぼっちゃんおじょうちゃんなんだろう。香港人にも近いものを感じた。

上海どんづまりシリーズ:ショッピングモールの壁にて。

で待ち時間にWiFiパスワード聞いて色々調べたりしようと思ったんだけど壊滅的に遅い。中国だからFacebook使えないのはしょうがないとしても検索もろくにできないしGoogleマップもうまくつかえないしメールも受信にすごく時間かかるし…もうこの時点でこの旅のネット環境はほぼ諦めた。どこの国に行ってもWiFiの 確保は重要チェック項目ではあるんだけど今回はちょっと予約サイトにだまされた気分だな。でも昔の人はそんなの関係なく旅してたんだし、なんとかなるさ。 こういうとき現代人はやっぱネットに頼りすぎだと実感するよね。道具は手の延長って言葉があるけどネットはもはや脳の延長になってる。けしからんね。でも そういう時代なんよね。世界的なWiFi整備が先か、脳内に埋め込むネットワークチップの技術開発が先か、見ものです。でも日本はもっと整備せいよ。外国人にとってかわいそうなくらい野良WiFiがないよね。オリンピックの追い風もあってうまいことやってほしいけど首都圏だけなんかな。

そんなこんなで日本を憂う若者気取ってるところにクリーニング終了のお知らせが。さっそく荷物置きに行く。うん部屋は悪くない。まぁまぁ広いしちょっ と虫いるけど汚すぎることはないしエアコンの効きも悪くないし。シャワー浴びるとトイレの床もベチャベチャになっちゃうよくあるアジア式バスルームだけど まぁインドより遥かにマシだから良し。上海もトイレの紙は流せない方式らしい。クソ拭いた紙が横に溜まっていくのはどうも気になるんだけどしょうがない か。以前タイのホテルで無理やり流して詰まらせて逃げ出たのは若き日の思い出。今は節度ある行動のできる大人になりました。

まだ宿に着いただけなのにちょっと記録長すぎるよね。こっから先は地図も見ずとりあえず歩いただけなので時系列も場所もよくわからん。トピック形式でお送りします。

上海どんづまりシリーズ:追い詰められた奴ら。交渉を試みる。

■食に無頓着マン

朝の煮卵ぬき煮卵おむすびの一件以来食べ物を口にしないまま、ようやくメシにありつけたのはたしか夕方くらい。日本 でも入りやすいところにしか入らず、小学生的な味覚を満たせれば何でもいいので海外でもそういう思考で店選ぶんだけど今回は一発目のメシからやっちまった な。そう、選んだ店は…一風堂です。だって…なんか安心できるじゃん。マクドナルドと迷ったんだけどどうせ明日とかに行くだろうからマックは見送り。九州 人としてとんこつラーメンがきちんと中国に伝わってるかを確認するためという大義名分を自分自身に振りかざしながら入店した。メニューは日本より多い気が する。あきらかにとんこつラーメンの範疇ではないような太麺系のやつとかもあった。しかし困ったことに店員に英語が通じない。もちろんただのバイトなので 日本語が話せるわけでもない。なので結局指差しながらの「でぃ、でぃすわん、あんど…でぃすわん」方式で伝達することに。そしたらまた中国語でなんたらか んたらいいやがる。だからわかんねぇっていってんじゃん。そして指差しでわかったでしょ、という顔をしたら、はぁ…みたいな顔して引っ込んでいった。あと から考えれば麺の固さを聞いていたんだと思う。日本ならメニュー頼むついでに「バリカタで」とか言うんだけど流れを忘れてた。なので多分「ふつう」の固さ のやつで出てきた。味は…よくわかんね。九州代表として抜き打ち試験に来た身として非常に申し訳ないが味に無頓着なのでよくわからんかった。まぁ…食べれ るけど…こんなもんじゃなかったかな、というくらい。ただ、替え玉(これも指差し注文した)はあきらかにまずかった。あれは多分輪ゴムの束を間違えて茹で たやつ。みなさんもご注意ください。

上海どんづまりシリーズ:市場みたいなところの奥を抜けたところ。

■ファックミー

ちょっとヨーロッパっぽい建物が残る街並みを歩いてるとき、欧米人集団の一人の金髪(ジョシュアとかそんな名前してるっぽい顔)に声をかけられた。「おう、ライカなんてぶら下げてんのかよ、もちろんフィルムだよな?」「あ、いえ、現代っ子なのでデジタ ルです」「なんだ貴様、写真ってったらフィルムに決まってんだろ!ほら、見てみろよこのコンタックス(のようなもの)、最高だろ!?そこにいるジム(仮 名)も持ってるさ!」「へ、へぇそれはようござんしたね…」「ちょっと来い、いいとこ連れてってやるよ」「あ、はぁ…」「ここだ!ここがこの辺で一番イカ してるフィルム屋だ!今日は…定休日だな…ファック!また出直してこい!」「う、うん…」みたいなことがあった。早口の英語でよくわからんかったけど4〜 5人くらいの男女入り混じった集団で、ポートレートメインにお互いをフィルムで撮り合っているようだった。よくわからんアプリのIDを聞かれたけどそんな ん入れてないって言って一応LINEのID教えたらブツブツ言いながら去っていった。「なにあいつ?」「あぁ、イカしてねぇジャップさ。ジェニファー(仮 名)そんなことよりそのファッキンイカしたレンガの前に立ってみろよ、ファッキンポートレート撮ろうぜ!」というのは言い過ぎだけど期待に全く添えない回 答ばかりで申し訳なかった。たぶんああいう場でうまく自分をプレゼンできるやつが友達の輪を広げてコレクティブとか立ち上げちゃったりするんだろう。あん ま良いのが撮れない日だったけどこいつに会ってからさらにブルーな気持ちになって撮り逃しが多くなった気がする。

上海どんづまりシリーズ:宿の廊下にて。

■もどかしい

まぁ金髪野郎のせいだけではないんだけどなんとなく良い光景に巡り会えんかった1日だった。天候のせいもあるけど土地によっていける気がする土地とそうでない土地があるみたい。治安は決して悪くないし誰も文句言ってこないけど何か上海とはフィーリングが合わない。明日は仕事も残ってるので宿で作業する時間もあるけど午後は電車で少し離れたところに行ってみよう。徒歩圏内はどこも似たような感じだった。ちなみにWiFiの都合上アップするのは後日になりそうだけどこの文章自体はリアルタイムにその日の終わりに書いてる。まだ明日がどんな1日になるかわからん。いい1日になることを願って寝よう。