いろいろ忙しくなってきたのであまりじっくり見たり読んだりする時間がとれなくなってきたんだけど、東京二日半の弾丸鑑賞巡りのせいで11月全体としては結構なボリュームに見えると思う。思いつきだったけど行ってよかった。
■トークショー動画「津田大介×ばるぼら×さやわか『あなたが日本のインターネット史について知っていることはすべて間違いである』」
ちょっと前にばるぼら×さやわか氏の共著「僕たちのインターネット史」を買ってたんだけどまだ未読で、まずは関連トークのこれを見れば本も読む気になるかな、と思って見てみたけど半分くらいは知らない文化の話だった…。まぁここでは固有名詞はそこまで大事じゃないのかもしれんけど。わからんくても文脈笑いできるような流れだし。とりあえず津田大介氏が意外と親しみやすい感じの人だと知れてよかった。本はそのうち読む。たぶん。あらためて自分のインターネット史を振り返ろうとしたけどごく一般のそれでしかなかった。浅さが甚だしい。浅みが深い。
■映画「アメリカン・スリープオーバー」
非常にのっそりした映画だけど嫌いじゃない。みんなキラキラしてた。ただアメリカンカルチャーに対する理解や知識がそもそもないから、このスリープオーバーのイベント文化自体がよくわからんかった。
■ドラマ「グッド・プレイス シーズン2」
シーズン1の終盤で見えてきた設定の延長でそのままさらにバタバタする感じ。もうここまでくるとメインキャスト6名が愛おしくてたまらんな。いいもわるいも含めて人間を肯定したくなる流れ。いいね。ちなみにあんまり本筋と関係ないけどアメリカのこういうドラマってめっちゃ固有名詞でてくるよね。誰々のあの映画での演技は本当になんたらだ!みたいな。ほとんどわからんけどアメリカ人にはお馴染みの名前が出てきてんのかな。そして日本のドラマにはそういうのがあんまりないのは文化のせい?役者とか事務所とかの権利とかビジネスモデルのせい?
■トークショー動画「磯部涼×Kダブシャイン×吉田雅史『ヒップホップは何を変えてきたのか』」
例のゲンロンカフェトークショーのやつだけど…ヒップホップ系では前回見たダースレイダーのやつの方が整理された感じでビギナーな自分にはよかったかな。ルーツを知っていることがHIP HOPの条件のひとつ、という説は面白い定義だと思った。他の文化にも必要な要素な気がする。ひきつづき文化としてウォッチしていく。
■美術展&トーク「横野明日香/組み合わせ」@see saw gallery + habit
たまたま数日前に開催を知って行ってみた展示&トーク。やはりすでに在るものを撮る写真家とゼロから書いていく画家はスタンスが違うもんやね。この方はあまりガチガチにコンセプト固めて描くタイプではないようだけど写真にはない「描くプロセス」とかの話は興味深い。書道みたいに描き順を取り入れたりとかね。絵自体もいわゆる技術が印象に残るようなタイプではなく、人工物と自然を抽象と具象の間で曖昧に描くようなのは好き。あわよくばもっと深く話聞いてみたかったけどアウェイな空気だったのでトーク終わってすぐ去った。アイウェイウェイ!
■映画「テラー / (T)ERROR」
FBIとかテロリスト予備軍のおとり捜査がどうのこうの、みたいなドキュメンタリーだけどなんか頭に話が入ってこんかった。終盤ようやく色々繋がってきた気がするけど盛り上がらんまま終わってしまった。
■人文書?「サピエンス全史(下) 文明の構造と人類の幸福」
上巻読んでからだいぶ経ってしまったけどようやく下巻読んだ。あいかわらずスケールがでけー。上下巻あわせて人間の全部。ほんとに全部。でも上巻もそうだったけど興味を持てる(スラスラ理解できる)部分とそうでない部分のむらが結構ある。進化・革命にまつわる新しい仕組みとかがスッと入ってくるときはすごく充実感あるしワクワクする。たぶん何度か読み返すともっと知識も定着するんだろうけど二度目はないだろうな。あの説はおかしい!とかネットで反論を目にすることも多いけど、悔しいことに自分の知識ではまだそれをちゃんと判断できん。できれば高校生くらいのときに出会いたかった本。続編のホモ・デウスも気になるからそのうち読んでみようかな。
■映画「ロングショット」
冤罪にまつわるドキュメンタリー。尺も短いし内容も薄い。冤罪こわいね、っていうだけの話。
■映画「ミスターノーバディ」
最後がほんと消化不良なんだけど…全体的なパラレルワールドを行き来する感じは好き。安直な演出だけど人生って尊いな、って思わせてくれる。あえていろんな解釈ができるようにモヤっと終わらせるようにしてるんかな。尺も長いからうまくまとめて欲しかったな。とはいえいい映画です。トゥルーマン・ショー的な箱庭世界感も好き。
■映画「インセプション」
夢の中でさらに夢を見て、とかSFとしての世界観は好きなんだけど…なんとなく入り込めなかったかな。主人公と奥さんのやりとりが共感しづらい感じだったからかな。もったいないなー。
*ここからは急遽東京に行くことになって鑑賞三昧な二日半の記録です。馬喰町付近に宿を取り行動しました。このあたりの街並みは新しくてカクカクしててどっちを向いても一緒な感じで迷う。でもこれが非常に東京っぽいような気もして好き。まずは1日目。
■美術展「絵と、 vol.4 千葉正也」@gallery αM
一発目は宿に近かったαMから。何かしら引いた視点からやろうとしているのはわかるんだけど、それ以上に引き込まれる感じはしなかったな。たぶんこちらの見方も浅いんだろうけど…うーん…木の上…うーん…。で、後日ネットに上がってたトークショー動画を見てみたけど…うーん…少しは見方が広がったけど…うーん。作家と絵画の関係を逆転した感じで…うーん…。
■美術展「マルセル・デュシャンと日本美術」@東京国立博物館
続いて上野に移動してデュシャン&日本のなんたら展へ。東博には東京に住んでた頃に来たことあった気がするけどすげぇ厳かな場所やね。おそらくグッと心を動かされることはないだろうと思いつつ、記念鑑賞的なつもりだったんだけど、概ねその感じだった。デュシャンについては以前本でもざっと読んでたので概要は理解してたし、それを物理的に見る機会だったって感じかな。レディメイドよりもキュビズム的な表現の方が生で見る良さはあったように思う。大ガラスとか見て感動する人はするんかな…《泉》については例の!有名な!的な嬉しさはあったけどね。そしてデュシャンを日本の美術に連結させようとする感じは噂通りちょっと強引すぎると感じた。蛇足。悪名高いお笑い芸人の大喜利オーディオは聞かず。
■美術展「ムンク展―共鳴する魂の叫び」@東京都美術館
上野に来たついでになんか見ようと思ってお隣のムンク展へ。ちゃんと見たことなかったので「叫び」くらいしか知らんかったけど全体的に良かった。とりあえずペーソス漂う感じが好きなんだと思う。セルフポートレートが多いところとか、あと同じようなモチーフを描き続けるところにも惹かれる。シンプルな構図ばかりだけど手前下方に目線ありの人物を配置しがちなところとかね。背景談的にも失恋とか家族の死とかそういう一般的なものだからこそ普遍的な作品になるんかな。接吻シリーズが特に良かったし全体的にまた振り返ろうと思い図録を買ってしまった。
■ライブ「豊田道倫ソロライブ『パラガ越え』」@八丁堀七針
そして八丁堀の七針へ。ここもだいぶ前に来た気がするから多分2回目。なんとなく博多のアートスペーステトラを思い出す。なぜか知らんが。川が近いからか。会場が狭いからか。で、新作(名義はパラガ)を中心にライブは展開。個人的には新アルバムの中心歌的な「居酒屋たよこ」が聞けてよかった。とても優しい歌。「居酒屋たよこ、君が飲み屋をやるなら、僕はカウンターの端にいる、よくいる謎の親父になろう」とか素敵よね。なんで彼の歌はこんなに人生を感じさせるんやろうね。歌詞に”お茶”と”パン”がよく出てくるからかな。なかなか男の歌には出て来んよね。別に事実だけを歌にしてるわけじゃない、って何かで聞いたけど。あの声が絶対的に人間臭いんやろうな。金曜日ということもあり、客の半数はスーツの男性。彼らが機械のように鳴らすアンコールのための拍手がシュールすぎて面白かった。「新興宗教みたいな拍手ありがとう」と再登場して懐かしいやつも何曲かやってくれた。満足。ただこの人のMCは非常に聞き取りづらい。声が小さいし滑舌が悪い。歌は聞き取りやすいのにね。
*ライブの後、ホテルに戻る過程で八丁堀近くのインド料理屋へ。近くの壁をゴキブリが歩いてて少し逃げた(俺が)。この後から2日目。
■美術展「カタストロフと美術のちから展」@森美術館
アートの存在意義みたいなことについてはずっとモヤモヤ考えてて、この展示が何かのヒントになるかな、って期待してた部分もあったけど別にそんなことはなかった。ただこうして作品群を見ていると、自分たちがいるのは紛れもなく「戦後」であり、「震災後」の世界なんだなって痛感させられる。カタストロフの積層の上に生きている。そういうモニュメント的な側面だけでも意味はあるんだろうな。ただそこに「アート」という言葉はいらない気がする。「取り組み」くらいのざっくりしたものの方がいい。アート界隈を無駄に聖域化しないために。特に災害復興とかの役割としては。今回の展示はそういう匂いがしたのはよくなかったと思う(アートスゲェだろ、的な)。風刺系の作品をはじめ色々面白い作品はあったんだけど特に印象深いのは「みんなでひもをひっぱって震災モニュメントみたいなのを立たせる」的なやつ。言葉での説明だけだと全然つまんなそうなんだけど、掛け声とかひっぱってる人たちの表情とかになんだかジーンときてしまった。横トリで見た「権力の象徴である銅像を重量挙げの選手が力を合わせて持ち上げる」作品にも似てて、肉体的な側面が加わることでグッときやすくなるんかな。今回は展示されてなかったけどチンポムの「気合い100連発」みたいなやつとかも好きだし。くだらないけどグッときちゃうんよ。あとホァン・ハイシンの皮肉っぽい絵も好きだった。蛭子さんの匂いがした。
■美術展「会田誠とChim↑Pomのカラス 」@森美術館
カタストロフ展の出口付近でやってたので。でも両者どちらの作品もネットか雑誌か何かで見てたので特に新しい発見はなかったかな。会田氏の方は、やっぱでかいと迫力あるな、くらいの感じ。
■漫画展?「藤子不二雄(A)展 -(A)の変コレクション- 」@六本木ヒルズ屋内展望台
ついでにカタストロフ展でたところでやってたこれにも行ってみた。追加チケットいらんかったし。まぁ、全体的に好きなんだけど急いでたのでちゃんと見れんかった、というのが正直なところ。ブラックユーモア短編集がたしか家にあったので読み返してみようかな。Fも好きだけどA派。この隣でカードキャプターさくら展もやっててめっちゃ並んでた。コアなファンが多いとは思ってたけど…尊い。
■イラスト展?「ウィスット・ポンニミット『Smile』」@六本木ヒルズA/Dギャラリー
これもたまたま通りがかったから入ってみたやつ。以前から作者や絵のタッチは知ってたけどこういう展示を見るのははじめてだった。ただ、感想としてはかわいいやつ、くらいの印象。日本の古いアニメの影響とかあるんだろうな。もっとタイへのアニメ文化の伝わり方とかと照らし合わせると面白くなりそう。ちなみにタイでは「一休さん」と呼ばれたことがある。向こうでもアニメ流行ってるんよね。
*この日初めての食事は六本木のインド料理屋へ。たまたま夏に東京に来たときと同じ店だった。近くでやってた東山魁夷展も気になってたけどめっちゃ混んでそうだったので断念。
■美術展「para nature」@EUKARYOTE
六本木からちょっと電車で移動して外苑前へ。ここは初めてくるギャラリー、そして初めて見る作家4人の展示だった。ネットで以前から見てたあべさんのブックも置いてあり、プリントのクオリティも良く、生で見るとやっぱいいな、って思った。畑山太志氏のペインティング作品も長時間眺めていたくなる魅力があった。「パラネイチャー」っていう概念についての捉え方とかは個人的にもすごく興味があったので夜のトークショーも行ってみたかったが都合が合わず断念。
■美術展「Hyper Land Scape KAZUKI UMEZAWA +TAKU OBATA 梅沢和木+小畑多丘」@ワタリウム美術館
そしてすぐ近くのワタリウムへ。梅ラボ氏の作品は以前から見てみたかったのでこの物量でじっくり体験できたのはよかった。アニメキャラのコラージュっていう印象がもちろん強いんだけど、その根底には震災のイメージやネットカルチャーの人間くささみたいなものが滲み出ててすごくよかった。「切ない」っていう言葉がよく似合う世界観だった。この10年くらいのあれやこれやがぶわっとね。一方もうひとりの小畑氏の作品の印象はすごく薄かった。この組み合わせで良かったのか?
■写真展「愛について アジアン・コンテンポラリー」@東京都写真美術館
次に恵比寿へ移動して久しぶりの都写美へ。当然「愛」がテーマなんだろうけど全体的に暗く寂しげな印象だったような…。どちらかというと写真的には愛の喪失によって愛を描かざるを得ないのだろうか…とかなんとか。あと須藤 絢乃はなんとなくカネコアヤノと相性良さそうだと思った。名前が同じだから、ってだけかもしれんけど。
■写真展「写真新世紀受賞作品展」@東京都写真美術館
これも一度は見ておきたかった公募の作品展。なるほど、って思わせてくれるやつもあれば、ああこういうのも選ばれるんだ、っていうのもありコンペの温度感が少しわかった。優秀賞以上のものはコンセプチュアルな側面がしっかりあるな、って思ったけど視覚的なインパクトはあまりなかったようにも思う。いわゆる現代アート的なアプローチに寄ってきてるのかな。それはそれで好きなんだけど。で、個人的に一番気になったのは佳作の肥後亮祐氏の映像作品。質問された回答者が「えー」とか「あー」とか言ってる瞬間だけを編集したもので、視線の泳ぎ方とか心ここに在らず=他の世界に行ってる感じが面白かった。選者のコメントにもあるようにちょっと数やバリエーション、展開があるともっと面白くなってたかな。
■美術展「ゲンロンカオス*ラウンジ新芸術校 第4期生展覧会グループC『まさにそうであることの嚥下』」@ゲンロン カオス*ラウンジ 五反田アトリエ
これまた気になってたカオスラウンジの新芸術校の展示へ。スペースの都合もあってか少人数のグループになってるようで、今回は7人?の展示だった模様。グループ展としてのタイトルも掲げられてるけど全体的には個人的な制作の寄せ集め、という印象になっちゃってたかな。こういう活動やってる人たちはすごく好きだし応援したいけど、でもあの空間からはやっぱり「よくわからないことやってます」なオーラが強く出てる気がして、世の中にある「アート=わからない、それでOK」みたいな印象を後押ししてしまっているようにも感じた。でも説明って難しいよね…長めのテキストももらったけどじっくり読むような空間ではなかったし…。ということで作者の説明が聞けた作品がやっぱり印象強く残ってる。主にF・貴志氏のアーティスティックインカムと木村文香氏の福島の土を持ってくるやつかな。前者については説明聞いてもよくわからんかったが…。まぁ、自分もなんかやってみたくなる空間だった。もっと色んなグループのやつも見てみたい。そういえばパープルームも同時期にやってたな…いつかあっちも行きたい。
■美術展「馬嘉豪 個展『霾 PM2.5』」@TAV GALLERY
そしてグッと移動して阿佐ヶ谷へ。初めて行くギャラリーだったけどフレンドリーな空間だった(作者とギャラリーの方だったのかな?)。作品はどちらかというと重めなんだけど“メイドインチャイナのアメリカ兵人形”みたいなキャッチーな題材がわかりやすくてよかった。鼻炎だったのでPM2.5をイメージしたスモークとかはよくわからんかった。
■映画「入居」@高円寺アンノウンシアター
一駅だけ戻って高円寺へ。以前から気になってたお蔵入り映画が奇跡的に上映される、とのことで。で、1本目はその期待してたやつじゃなくて全然事前知識なかったやつ。まぁでも濃いドキュメンタリーやったなぁ。胸糞悪い系。ある女性が中心にいて現彼軍団とともに元彼をこらしめる、みたいなやつなんだけど、登場人物の誰一人として好きになれん不思議な作品。まぁそれを自覚してあえてバカみたいなハワイラブラブシーン入れたりしてるんだろうけど…。でも映画としては好き。もっと見たい。悔しい。そして座席狭すぎてケツ痛すぎ。
■映画「にゃっちゃんを取り戻す100の方法」@高円寺アンノウンシアター
ケツ痛いけど座り直して2本目。以前からタイトルは知ってたけどなんか問題があって上映できなくなってたやつ。これまた濃いドキュメンタリー。夫に不倫されてる妻が夫を奪還するためにいろいろ工夫してみたり嘆いたりする様子を最終的に夫が編集して映画にしたやつ。登場人物次第では成立せんかもしれんけどこの奥さんのなんか抜けてる感じのキャラでかろうじてバランス取れてたかな。あとはあれか、子どもがかわいすぎでギリギリ絵的に救われたか。あの子らには明るく元気に育って欲しいな。とりあえずこの監督(=夫)が一番悪いのは明確なんだけど、エンディングにみんなで恋ダンス踊ろうとか言い出したのはどっちなんだろう。インド映画みたいに踊って楽しくハッピーエンド!とはいかん流れだっただろさっきまで。ということで2本とも強烈なのが見れてよかった。
*恋ダンスを見た流れで2日目の夕食はそのまま高円寺のインド料理屋へ。ちょうど駅までの道中にあったので。余裕があったらこの日、藤原麻里奈の無駄づくり展に行きたかったけど全然余裕なかった。この次から3日目。
■美術展「アジアにめざめたら アートが変わる、世界が変わる 1960-1990 年代」@東京国立近代美術館
3日目の最初は竹橋の近美へ。これはもう作品多すぎて印象が散漫になっちゃってるんだけど面白いものもいろいろあった。いろいろありすぎてなんか語れない。「アジア」はちょっとざっくりすぎるよ…。ただほとんどの作品が社会問題を背景に作られていた点に切実さを感じた。逆にそういうのが絡んでないと歴史には残りにくいんだろうか…とかなんとか。フィリピンのゲイボーイダンサーの映像がなぜか一番印象に残っている。俯瞰してアジ美を見れるいい機会ではあるのでもう1〜2回ゆっくり見てみたい。たぶん無理だけど。
*近美で結構時間かかったのでここでランチタイム。神保町のインド料理屋に行った。有名店だったようで少し並んだ。バターチキンカレーはトマト感強めだった。
■写真展「西澤諭志『[普通]ふれあい・復興・発揚』@TAP GALLERY
午後はまた東の方へ移動。このあたりは初めてくるエリアだな。TAPも名前は以前から知ってたけどくるのは初めて。広くないとは思ってたけど完全に無人とは…途中1人来客がいたけどあとは自分だけだったのでじっくり堪能させてもらった。さて、作品については…簡単には語れない内容よね。おそらく意識的にだろうけど言葉的なものを誘発しようとしている写真群、そして展示構成だと感じた。ただ、ある程度作者が見ているビジョンがあるのであれば、もっとガイドとなる言葉が添えてあってもいいのでは、とも感じた。簡単なステイトメントはあったもののちょっと物足りず。別途対談音声がアップされていたのでそれも聞いたけどそのニュアンスをもっとこの空間に持ってきた欲しかったかな。とはいえ気になる。いいことだと思う。
■美術展?「鳴見テヨナ×高橋直宏×Three Delta Triangles 『出版記念』」@あをば荘
さらに電車で押上方面へ。これまた事前知識ないけどなんか気になる感じだったあをば荘へ向かった。親しみやすい感じの2人がゆるく案内してくれるゆるい空間だった。大きい本をつくる!以外には特にテーマ的なものはないらしい。最近行ったエジプトの世界観に引っ張られているとのことで、ムー的な匂いもした。よくわからんけどこういう活動もあっていいと思う。ピラミッドポストカード欲しかったけど買い忘れた。たまたま前日外苑前でグループ展を見た荒木美由氏が近辺で個展をやっていると案内されたが時間がなく割愛。いろんなものに穴を開ける姿を見てみたかった。
■写真展「千賀健史『The Suicide Boom』」@Reminders Photography Stronghold
あをば荘からは徒歩でRPSへ。ここもきてみたかった場所。スペースの一角ではワークショップを行っている最中で、主催の後藤氏ふくめワイワイやってて楽しそうだった。で、肝心の展示もすごくよかった。在廊中の本人にも伝えたけど、ちゃんと目的をもった展示をやろうとしてる、ってことが特に。アートとか写真とかそういうのをボカして「鑑賞者が自由に解釈を広げてもらえれば…」みたいなものが多いけど、やっぱそれって作者としてどうなの、って思っちゃうんよね。今回の目的としては…自殺に関する情報が様々なメディアを介してウィルスのように広がり、次の自殺を誘発する一因になってるってことを自覚してもらうこと、かな(個人的なざっくりまとめです)。そのために必要なデータや表現が空間全体に散りばめられていたと思う。確かに解釈の自由度は一見あまりないかもしれないけど、そもそも表現の自由と同じくらい鑑賞の自由もあるわけで。いろんな角度から議論ができるような材料はたくさん提示されていたと思う。作者なりに言葉にする、って大事だと思うよ。そんな学び。公式の展示レポートはこちら。
*結局2日半の東京滞在で4回飲食店に入る機会があった。そのうち4回がインド料理屋だった。こんな偶然ってあるものなんですね。東京からは以上です。
■ドラマ「結婚できない男」
なんかライトなやつ見ようと思って、以前からいい評判聞いてたこれを見てみた。まぁそんな伝説的なほどではないけどほのぼのした感じで見れるいいドラマだった。夏川結衣がいい演技してた。あと阿部寛を見て稲葉浩志(B’z)的な何かを感じた。
■映画「サバイバルファミリー」
こちらもライトなやつ見ようと思って。思ったよりサバイバルな感じだったけど気軽に楽しめた。
■映画「ラスベガスをやっつけろ」
こういう人種がいることは理解できるけど好きじゃない。作品としてもあまり好きにはなれんかった。モンティパイソン、って言われたらそうなんだけど、だったらモンティパイソン見るほうがいい。ジョニーデップは頑張ってたけど。
■映画「アメリカン・スナイパー」
クリントイーストウッドの実話ベース系映画。でも「15時17分、パリ行き」より全然いい。なんだろう、この差は。実話としてのベースがそもそもこっちの方が好みなんかな。主人公の悶々とした感じがよかった。よかったとか言っちゃいかんか。最終的には辛い人生として幕を下ろしちゃったな。
…という11月でございました。最後に、以前ツイッターにも貼ったけどかわいいPV置いて終わりにします。